お時間あらば、しばし立ち止まっていただければこれ幸い。足跡なぞも残していただければ極上のヨロコビでッス。

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一昨日の夜に雪が降り、昨日は何もないのんびしできる日だったので、積もって少しづつ溶けゆく雪を眺めつつ、読書でもしようかと久々に手にとったのが 澁澤龍彦の「東西不思議物語」。雪景色を眺めつつ読む、世にも不思議な物語。。というのもオツであると思っての選択であります。

一度読んだんですけど、何度も読み返せるおもしろさがあると思うんですよね。しかも、どっから読んでもいいってのもイイ。

澁澤の前口上から少し。。。

不思議物語の伝統は、歴史とともに、古代から脈々と流れていると言ってもよいであろう~略
私は学者ではないから、七面倒くさい理窟をつけるのはあまり好きなほうではなく、ただ読者とともに、もっぱら驚いたり楽しんだりするために、五十篇に近い不思議物語をここに集めたにすぎないのである。したがって、読者のほうでも、あまり肩肘を張らずに、私とともに驚いたり楽しんだりして下さればそれで結構なのである。
それにしても、不思議を楽しむ精神とは、いったい何であろうか。おそらく、いつまでも若々しさを失わない別名ではなかろうか。驚いたり楽しんだりすることができるのも一つの能力であり、これには独特な技術が必要なのだということを、私はここで強調しておきたい~略
読者は気が向くままに、どこからお読みになっても差し支えない~略

不思議を楽しめる能力を持つ澁澤龍彦氏が、古今東西から選りすぐった不思議物語なんですから、おもしろくないはずがありませんです。短いエッセイの中にはたくさんのエッセンスが詰め込まれています。もうホントに「へぇ~」の連続。

私はこの人のエッセイが好きです。全部は読んでいないし、時に退屈なものもありますが。。。

彼は人並みはずれた知性と考察力に加え、ユ-モアがあると思うのです。自身にユ-モアがあるだけでなく、人にその知識を堅苦しくなく楽しくみせてくれる才能も持ち合わせている稀有な人でもある気がいたします。

そうそう、私は澁澤の裸踊りの写真を持ってるんですよね~(某雑誌に掲載されてた)局部にアフリカの某民族がつけるような動物の角をつけ、ソファ-の上で楽しそうに踊っています。

確か澁澤夫人のコメントが。。。
「澁澤は精神が裸になるのは好みませんでしたが、ヌ-ドになるのは好きでありました」。。。。やっぱりウロ覚え。。。(この辺のことをご存知の方いらっしゃったら教えていただけると感激でッス)


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トスカの接吻

イタリア人で知らぬ人はいないイタリアの超有名人

ジュゼッペ・ヴェルディ。

19世紀にオペラ作曲家として名を馳せ、今だ彼の作品は世界中のオペラファンを魅了し続けている。

彼は作曲以外でも、ある遺産をミラノに残した。

音楽家のための老人ホ-ム。

この事を知ったのは、大学時代だったと思う。
やるじゃん、ヴェルディ」と思ったのを覚えている。それ以来、この老人ホ-ムがずっと気になっていた。

アクの強い音楽家たちがどんな老後を過ごしているのか?

そんな時に出会ったのが、ダニエル・シュミットの「トスカの接吻 IL BACIO DI TOSCA」だ。

監督のシュミットはここにカメラを持ち込み、引退したオペラ歌手たちの生活を淡々と記録する。往年の大歌手が舞台衣装を取り出し全盛期を懐かしみ、そして歌いだす。。

これはフィクションか、現実か。。。

もしかしたら、虚構とも言われる華やかなオペラの世界で生きてきた人々の老後を映すのは残酷なことなのかもしれない。でも虚構とも現実ともつかない世界に生きたのなら、この現在もまた虚構なのかもしれない。。

私は過去を追い続ける彼らを見て、追い続けたい過去のある彼らを羨ましく感じた。「夢」のような人生と言ってもいいような気がする。夢を追い、夢を実現し、老いて嘗ての「夢」を回顧する。。

フと、沢庵和尚さんの遺言を思いだした。

「夢」だそうだ。

ちなみに、イタリア語では「La vita è sogno」と紹介されている。
LA TAZZA E IL BASTONE
111 storie Zen narrate dal Maestro Taizen Deshimaru 22ペ-ジより

同じ夢なら、良い夢であった方がいい。。。

この映画は夢(?それとも虚構?)、現実、過去、現在が交差する力強く不思議なドキュメント。
江戸川乱歩の作品は、大抵の方がどこかしらで目にしたことがあるのではないでしょうか。

私は幼稚園くらいの頃に、天地茂の明智シリ-ズの再放送(?)をテレビで見て腰を抜かして以来のファンであります。

江戸川乱歩自身にも興味ありありでありまして。。。
なんでも、作風とは異なり、生活は真面目で地味だったなんて話しもありますが、ある作家さんが乱歩の家を訪問した際に、
ごめんね。冬はあんまり面白いものが見れないんだよ。ちょっとお茶淹れてくるから待っててね
と乱歩はこの作家さんに双眼鏡を渡したそうです。周囲は民家であります。夏はどんな面白いものを見ていたのでありましょうか。。彼は本当に真面目な私生活のお人だったのでしょうか。。。気になる。。。(このセリフを言った家かどうかはわかりませんが、旧乱歩邸は立教大学の近くにあります。フツーの民家で、表札も江戸川ではありません)。

ここらでひとつ乱歩原作の映画を。。。
三輪明宏主演の「黒蜥蜴」
これは三輪明宏さんのための映画でありましょう。衣装も気合入っています。いくらなんでも、それが普段着ってことはないでしょ。。。なんてツッコミは許されない貫禄があります。
明智小五郎。。。覚えてません。ハイ。(serufinumさんからのトラックバック
三輪明宏さんのうつくしー写真が拝めて、プチ不思議人エピソ-ドも読めます)

乱歩&三輪さんがイイ具合に絡まって、見ごたえある作品であります。舞台版をビデオで見ましたが、私は映画の方が好きかな。

あとやはりキョ-レツに脳裏に焼きついているのは、動く三島由紀夫。出番は一瞬ですが、キョ-レツです。イタリアでも著名な三島先生が動いてあらっしゃいます。なんだか山本太郎に似ている気がしないでもありませんが。。

そうそう、私はまだ見ていないのですが、京マチコの「黒蜥蜴」もあるそうです。こちらはちょっとミュ-ジカルぽいとかぽくないとか。。。それと、天地茂の「黒蜥蜴」。もし御覧になった方がいらっしゃれば、どんなだったか感想なぞ教えていただけるとウレシイです。かなり気になっております。

あぁ~、ビデオ屋さんへ走って日本映画三昧とゆきたいですなぁ~
私の相方は剣道を嗜むイタリア人なのですが、剣道絡みから、たびたび日本語でも説明のムズカシイことを聞かれたりします。そんな苦労話し
は数知れず。。。そんな時にあんちょこ(ほれほれ、ここ読め。って感じですが。。)で使っているのがこの本。

「剣道 和英辞典」 Japanese-English Dictionary of Kendo

財団法人 全日本剣道連盟
http://www.kendo.or.jp/shop/books.html

その名の通り、剣道に関する辞典ですが、精神面にかんする記述もあり、「ほ--っ」と頷くことしきりであります。1ペ-ジの左半分に日本語、右半分を英語、図解もふんだん盛り込まれていて、見やすい構成になっています。

短いところを少し紹介すると。。。


物事の真相を直ちに感知する能力

Kan
A hunch; intuition; the ability to sense the true circumstances immediately.

気迫
如何なる事態にも立ち向かっていく強い精神力。気概ともいう。迫ってくる相手や事柄に対してこちらからも適切に対応できる強い気持ち。

Ki-haku
The strength of spirit to face any situation. Also called Ki-gai. A strong mind capable of responding properly to a pressing matter or an attacking opponent.

などなど。

日本人だったら一言で分かることでも、説明する段になると中々難しい言葉の解説が短くまとめられていますです。

皆さんは、説明できます?私は。。ダメですね。。。トホホ。。
ミケランジェロの生涯(上・下)-ロ-ズマリ-・シュ-ダ-

最初にこの本を見た時には、上下巻あわせて約1000ペ-ジに及ぶブ厚さに「あ、厚い。。」と読むのを躊躇したが、以前からミケランジェロについて物語形式で読みやすいものを探していたので、ためらいつつも手にとり読み始めた。

お、おもしろい。。。

ご存知の通り、ミケランジェロの生きていた時代は、天才量産時代のルネサンス期。教会権力が幅をきかし、一時代にひとり出るかでないかの天才たちが同時代に凌ぎを削る時代。

フィレンツェはメディチ家のロレンツォ・イル・マニフィコ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、歴代法王たち。。歴史、権力、芸術が渦を巻き、交差する。それを物語形式で一気に読ませてくれ、自分も歴史の渦の中に放り投げてくれる。

この本は、旧東独の学生たちの間で随分読まれたそうだ。
なぜかは、読了後に当時の彼らの状況とミケランジェロの生涯に想いを馳せれば分かると思う。

自分は法王の奴隷だ。芸術を定める権利は教会にしかないのか

困難な状況の下、真実と芸術を求め続けたミケランジェロの生涯は、今を生きる私たちの心の琴線にも触れるものがあると思う。
今日、イタリア語の授業で「芸者」について聞かれたので、随分前に読んだのですが、今だに著者の名前も覚えているこの本から覚えていることと、自分の見知っていることを絡めて話してみたら、みんな驚くほど興味津々で、えらく盛りあがってしまいました。

で、ネタになった本とは。。。「芸者―ライザと先斗町の女たち」
という一冊であります。

著者のライザ・ダルビーさんはアメリカ人の文化人類学者さんで、芸者研究の一環として先斗町で「市菊」の名でお座敷にも出ていた方であります(かなりの美人芸者っぷりだったらしい)。その彼女が自身の芸者体験、調査研究したものをまとめたものがこの本です。決してお堅いものではなく、「芸者」という人間的な部分に焦点があてられているので読みやすく、個人的には興味のツボを押されまくりでありました。一気に読み終えてしまい、「エッ、もう終わり?」っていうくらいのハイスピ-ドでペ-ジが進んだ一冊です。

クラスの中に、この英語版(これがオリジナル)を読んだアルゼンチンの女性がいて、彼女もこの本は一押ししておりました。「芸者ってのはねぇ、、、」なんて、熱く語っておりましたよ。日本のことをこういう風に語ってくれる人を目にすると、なんだかウレシクなってしまうのでありました(^^
監督 エミール・クストリッツァAmazon.co.jp: DVD: アンダーグラウンド

カンヌ映画祭のパルムド-ル受賞作であります。
「これが獲らなくて、どうするよっ!」っていうくらいの濃ゆくスンバラシイ一本。

見終わった時の感想は、目からウロコの鼻血ブ-ってなかんじ。

音楽にやられ、スト-リ-にやられ、人間の哀しさにやられ。。。
2時間以上の長時間を飽きさせず、一気にラストまで引っ張ってゆかれます。強烈なブラスバンドの音楽と、映画の余韻が長く尾を引く一本。

「第二次世界大戦から現代までの旧ユーゴスラビアの歴史を辿った壮大なるドラマ」
って書くと、重ソ--、暗ソ--、落ち込みソ--。と鑑賞意欲を削ぐかもしれませんが、
この監督、ただ者ではありませぬ。ムムム。。。
こんなテ-マを、前半では爆裂のハイテンションで明るく見せ、後半では暗く、ラストでは救いを。テンポ良く明暗くっきりと描いています。人と国、祖国とは、友情とは、戦争とは。。。色んなテ-マがてんこもりではありますが分かり易く丁寧に、そして奇想天外に見せてくれます。そして、全編を通しての登場人物の描き方には、監督の並々ならぬ人間へのスルドイ観察眼と、愛情が窺えます。

今週末は何観よう?
とお悩みのアナタさま。ビデオ屋さんでみかけたら、この一本はいかがでせう。
この本は、ある文芸誌で働いていた人から薦められた本なのですが、勧められた当時は、まだまだ青っ洟なやつだったためか、「ふ~ん」と斜め読みしてたんですね。でもここ最近、エラク気になるんでありますよ。Amazon.co.jp: 本: 幸福論

さてさて、どういう内容の本かというと。。。

アランの「プロポ」(哲学断章)。「哲学を文学に、文学を哲学に」変えようとするこの独特の文章は「フランス散文の傑作」と評される。幸福に関する93のプロポを収めた。。。云々。。。表紙からの<抜粋>

もちっと詳しく紹介すると。。。

自分に問いかけるものは必ず間違った答えを出す。自分だけを考える思弁は退屈するだけである。あるいは悲しみ、不安、いらだちに陥るだけだ。やって見たまえ。「暇つぶしに何を読んだらいいだろうか」と自らに問うがいい。もうあくびが出ている。読みはじめることが大事なのだ。意思になりおおせなければ、いったん起きた望みも失われてしまう。~36 私生活について 

また、それぞれが気ままに生きることが尊重され、よろこばれているような家族もある。そこでは自分のよろこびが他人の迷惑になりうるとは誰も考えていない。でも、そういう人については触れない。それはエゴイストというものである。~33 家族の中で

この本は、ちょっとしたことで気分が落ち込んだり、幸せな気分がすぐに吹き飛んでしまう。あ~、幸せって儚いものなのね。なんて、そんなちょっとした不幸に出くわした時の心の持ちよう、迷い、悩んだ時の物の見方、考え方や物事の本質の見抜き方とでもいうのでしょうか。。。そういったものをどう捉えたらいいか、かなりのヒントをくれる一冊だと思うのですね。

今頃になって、「幸福論」の面白さが少しわかりかけてきたところです。まだまだ青っ洟人生だけど、少しは成長したかいな?「あ~、イタリアに持ってきて良かった~」と思える一冊であります。
イタリアへやって来る時、とても会いたい人がいた。
「とても」というより「スゲ--、会いたい!」という表現の方が近いな。

彼の名はフォスコ・マライ-ニ。
写真家で人類学者。日本研究でも有名なお方。アイヌ研究ってのもしていたらしい。

もちろん、私のようなモノに面識なんかあるはずもないんだけれど、講演会みたいなのがあったら出掛けて行って、あわよくば声なぞ掛けさせてもらうつもりだったのだが。。。

そんなマライ-ニ氏への熱く、暑っ苦しい思いを相方に語っていた矢先、ラジオで「フォスコ・マライ-ニ氏がお亡くなりになりました」というニュ-スを聞いた。

ショ~ゲキ

この衝撃は手塚治が亡くなった時の衝撃度とイコ-ルだったといえば大抵の人には想像してもらえるんじゃないかしらん。

で、なんでこんなに暑っ苦しくも熱い想いを持っているのかといいますと。。

数年前に、東京で彼の写真展があったんですね。
その時のチラシに何点か彼の作品が載っていて、これらがなんとも暖かく「あぁ、日本を愛してるんだわね。。」というのがムワムワムワ~ンと写真から立ち昇ってくるような作品だったんであります。

写真から、彼の人柄やら日本を愛している気持ちなんかが伝わってきてとにかくどんな人が撮ったのか、ひとめ生マライ-ニを見てみたかったのですね。そして、どんなお人柄の方なのかにも興味があったのですわ。

ついでに言うと、実は写真展には行けなかった。
なんで行けなかったのかは思い出せないけど、行けなくて後悔したことは覚えてる。

そんなこんなで、私はただ数点の写真をチラシで見ただけで、好きになってしまったわけなのです。

でもこの好きは積極的なものではなくて、たまにフと思い出しては、「あぁ~、スキ」という断続的なものではありますが。。。

日本でも彼の本が出版されてはいるけど、アイヌ研究のものであったり、ちょっと入手困難なものだったりするようですね。

そうそう、晩年にフィレンツェ大学で教鞭をとっていたというのを小耳に挟んだのですがどんな授業だったのかしらんね。。
監督 市川崑  
なんてったって、脚本がイけてます。
山本周五郎の原作を、黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹(四騎の会)の4人が作ったんですから。当初は4人で監督する話しもあったらしいけど、しょしょの事情でお流れに。結局、市川崑が監督をし、2000年に公開された作品です。

この作品は、剣道好きの相方も喜ぶだろうと、一緒に鑑賞。
初めは乗り気でなかったようでしたが、まず色彩の多彩さ、それと美術や衣装に大いに惹かれた様子。日本の席順のうるささ(笑)や、手で茶碗を割るシ-ンには爆笑でありました。

「日本人は、ほんとに手で割ることができるの?」との疑問には
「それが日本人ってもんよ」と嘯いてみたり。会話も弾むってもんであります。

市川崑監督の作品は、「犬神家の一族」を見て以来のファンでありまして、この「どら平太」も監督の独特のカメラワ-ク、個々の役者さんのキャラクタ-などなどが生き生きしております。
悪役も憎めず、笑えて間抜けで味がある。主役はもとより、登場人物全員が人間味あふれていて、見終った後は暖かく、ソ-カイな気分になれる作品。

それと私が気に入っているのは、タイトルやたまに出てくる書き文字のセンスの良さ。シンプルながらはっきりと、書き文字は暖かく味のあるものになっています。        

ひとりで見るよりは、ご家族とご覧になられてはいかがでしょ。
外国の友人さんと一緒に鑑賞ってのも、中々にオツでありますよ。
                     
                      どら平太                             
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