20代が著した芳醇なる幻想小説-『バルタザールの遍歴』

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DVD二人で一人の体を共有するという奇怪な分身物語が、その欧州的背景とも重なって、なぜかドイツ統一劇に至るまでの東西両ドイツのかかわりを連想させた。私はてっきり、ドイツ統一記念にミュンヘンあたりの幻想作家が書きあげた海外作品の翻案であろう、と思いこんだほどである。

実際、『バルタザールの遍歴』はウィーンをはじめ外国の街々の細部描写が堂に入っている。登場人物たちのからみ具合から会話まで、これも現代アメリカ小説を読むような切れと技巧にあふれている。最後にブエノスアイレスへ向かう主人公の行動も、いかにも海外小説的な゛遍歴゛のスタイルを踏んでいる。極言すれば、あまりにも巧みに翻訳小説めかした構成なのである
解説より 荒俣宏氏

佐藤亜紀氏が日本ファンタジーノベル大賞で大賞を受賞した『バルタザールの遍歴』を読んだのは、私が10代の終わりか20代初めの頃であります。

読後は、著者の広範な知識と知性、少し突き放したような文体、斜に構えたよな魅力あふれる登場人物。。今までに読んだことのなかったストーリー展開と匂いたつヨーロッパの雰囲気に衝撃を受けたもんでございました。

そんでもって、これを書いたのは留学経験があるにしても日本で生まれ育った日本人が30歳前に著したってのを知って鼻血ブー。

読んだ当時の私は、佐藤氏がこの物語を書いた年齢に達してはいなかったですが、もし自分がその年齢に達したとき、果たしてこれだけの教養を身につけられているものか。とマジで考え、著者へ微かな羨望とひとり称賛を送ったのでありました。

イタリア来るときに持ってきたこの一冊、フと思い出して本棚から取り出し捲ってみても、20代が著したとは思えない力作に、30代になってまたもや唸っとりマス。実は彼女の作品を読んだのはこれ一冊のみ。機会あれば、40半ばにかかった著者の今の作品も読んでみたい。そんな思いに強くかられるデビュー作です。
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私が持ってる文庫の表紙に『ET IN ARCADIA EGO』とラテン語があってですね、間違いかもしれませんが、イタ語では多分゛Sono in Arcadia゛. 私はアルカディアにいる。となりましょうか。

アルカディアとは、手元の伊和辞典によると。。

Arcadia (古代ギリシアの)アルカディア (17世紀末イタリア文学史上の)アルカディア派 意味のない長談義の行われる会合;泡沫的な芸術潮流 桃源郷

なんで?と興味を持たれたら、イザ読むべし。でございます。面白いですから、いやホント。
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